米沢織次世代への一歩 山形新聞「提言」寄稿

お知らせ

令和6年2月9日(金)の山形新聞「提言」に 近藤哲夫 が寄稿しました。全文は下記のとおりです。

米沢織 次世代への一歩 米沢繊維協議会会長 近藤哲夫

米沢繊維協議会は明治25年、350社の機屋(はたや)が品質の安定と信用度アップを目的に米沢絹織物工業組合を設立したのが始まり。昨年創立131年を迎えました。コロナでイベントもままならなかったので、”新たな一歩”という思いも込めて「組合創立130年+1」と銘打って記念事業を展開しました。

まずは山形県の花”紅花”を使った新商品開発とフラワーポット事業。紅花の貴重な赤の染料で糸を染め上げ着物や帯地をはじめ、洋服や小物製作にもチャレンジ。従来から取り組んでいる会員以外にも製作していただき、沢山のアイテムで紅花をアピールしました。紅花の種とフラワーポットも配布して、7月に紅花のオレンジ色の花で会社の前を飾っていただきました。

2つ目は以前から開催していた様相の素材展に和装も加わり、米沢産地総合展を有楽町で開催。洋装で着物を作ったり、洋服に和装の生地が使われたり新たな取り組みも始まりました。

3つ目は東北芸工大さんとの取り組み。総合店のレイアウト、Tシャツのデザイン。そして米織の生地を使った小物の開発。学生さんの斬新なアイディアで好評でした。

他にも新作発表会や着物パーティー・着物フォトコンテストなども開催し、今までにない反響をいただきました。

そして9月には、”360°よねざわオープンファクトリー”の開催。米織だけでなくお酒やお味噌の製造元にも参加いただき、業種を超えたものづくりの現場見学と小物製作のワークショップ、そしてお買い物を楽しんでいただきました。会社のPRだけでなく社員のモチベーションアップにもつながり何より見学者の方々からたくさんの激励をいただき感動の二日間でした。新しい枠組みで参加企業の担当者の平均年齢が40代で女性が多く、これからの時代のイベントの進め方はこれだ!!と感じました。しぶしぶ参加されていた企業の社長さんが、イベント終了直後次回の参加表明をされたのも印象的でした。

少子高齢化、原材料の価格の上昇、ライフスタイルの変化など、ものづくりの現場は厳しい状況が続いています。コロナの3年間でその傾向に拍車がかかり、米織の機屋も24社まで激減し130年前の十分の一を切っています。それでもものづくりが大好きな私たちは、受け継いだ伝統産業を次の世代にバトンを渡せるように行動していきたいと考えております。その方法は従来とは違ったやり方なんだと気づいた昨年。今年の干支のように”大きな成長を目指して、はじまりの一歩!”の年にしたいと思います。

今年も米織そして米沢のものづくりにご期待ください!!

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