近賢織物ブログ

織物工場をアートに切取る

昭和30年代に建てられた織物工場は、現役でありながら、なんともノスタルジックな雰囲気があります。これを何か表現できないかと考えました。そこで、ご縁のありました新進気鋭のプロの写真家さんに撮影して頂くことになりました。

 まずは工場見学をして頂いて雰囲気を捉えて頂き、その後改めて本撮影となりました。指定された時間は朝の7時です。朝ごはんもそこそこにして、会社の玄関を開けると、もうすでに到着されていて、外側からの撮影をして頂けたとのこと。朝日を浴びた赤い屋根の織物工場を季節の花とともに撮影して下さっていました。

 さてそこからは工場のなかです。人のいない工場の中は、驚くほど静かです。時には、鳥の鳴く声も聞こえます。そこに朝日がさしてきて、沢山の窓から、刻々と変わる光が入る様は詩の世界です。 一人、また一人とが集まってきて、始業の準備が始まります。動力はまだ動きませんから、手業から生まれる音だけが、広い工場の中に響き渡ります。それを追うカメラ。美しい手の動きが切取られていました。 定時にようやく織機が動きます。動力織機の力強い音が、空気を一変します。黒光りするジャガード織機の動きに合わせて、タテ糸が呼吸をするように上下運動をします。シャトルがヨコ糸を右へ左へと運びます。新しい布が、生まれてくる様子を撮影して頂きました。無骨な歯車までも。

 撮影現場は、楽しいものでした。 3時間ほど撮って頂いたでしょうか。 情熱的なこの撮影の結果は間もなく、皆様にお目にかけられると思います。どうぞお楽しみにして下さい。

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